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2005.05.17

健診で医療費抑制?

 2005.5.17付朝日新聞1面に「医療費抑制へ健診強化・・・厚労省方針」という記事が出ました。「厚労省によると、04年度の国民医療費約32兆円のうち、生活習慣病によるものは、約7.5兆円。25年度には医療費69兆円のうち約20.8兆円を占めるとみるが、健診強化などの対策により約2.8兆円が抑制できると試算している。」

 そもそも健診が「長寿のために有効であり、医療費抑制になる」というデータは、一部の健診機関の医師が、我田引水で発表しているものを除き、大規模データはありません。逆に欧米では「不要論」も多く、日本でも先駆的な医師は疑問を投げかけています。(私のHPの「フィンランド症候群」、「早期発見、早期治療が大切だ」という誤解」を参照下さい)。

 また2005.5.12付日経新聞1面の「長寿ニッポン・・からだ異変(下)」の冒頭に二つのデータが載っています。

 データ1:「2003年に定期健康診断を受けた約1180万人のうち、何らかの異常を指摘されたのは47.3%。1990年の23.6%から増え続け、10年余りで倍増した」。(この数字は、厚生労働省の用語で「有所見率」と言うらしい)。

  データ2:「食生活や運動などに目標値を設けて、生活習慣病の予防を目指す厚生労働省の健康日本21プロジェクトは、昨年10月時点で、53項目のうち4割近い20項目で悪化した」。

 それにしても、「何らかの異常を指摘された人が50%近くもいる・・・二人に一人が病人」ということは、どう考えても「異常」です。「病人に仕立て上げる意図」が働いていると邪推されても仕方がありません。

 日本では、「治療」だけではなく「健康診断」までも、医療側に主導権を握られている実体がありますが、健診を強化するとは、「厚労省はお先棒をかついている」と言われても仕方ないですね。

 健康診断は法律によって企業などには義務付けられていますが、大企業では「人間ドック」が、中小企業では「総合健診機関」が実施しています。ところが二つとも、学会、病院、健保組合(企業)がからんだ「利権組織」の上に成り立っていることは、あまり知られていません。

 日本総合健診医学会は、2003年4月に、独禁法容疑で公正取引委員会の調査を受けました。

「カルテ」:http://karte.cocolog-nifty.com/karte/

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2005.05.10

野菜、果物摂取と大腸がん

 3月9日の「肝臓がんとコーヒー研究成果の本当の意義」に書いた、「多目的コホートに基づくがん予防など健康の維持・増進に役立つエビデンスの構築に関する研究班 JPHC(Japan Public Health Center-based prospective Study)」が、また新しい調査結果を発表しました。(2005.5.10朝日新聞朝刊)。

 調査人員9万人、調査期間10年という大規模調査だけに、この結果は傾聴に値します。今回の結論は、「野菜果物をよくとっていても、大腸がんになるリスクは低くならない」というものです。

 ただし2002年には「野菜・果物摂取と胃がん発生率との関係について」という調査において、「野菜・果物は少量の摂取で胃がんの発生率を下げる」という結論を出していました。

 この二つの相反する結論にとまどいを感じる方も多いのではないかと思います。同じ消化器の胃と大腸なのに、なんで結論が違うのでしょうか。その理由については、いつか解説される日が来るものと思いますが、個人的には次の二つの理由が挙げられると思います。

 一つの理由は次のように考えられます。

 胃においては、食物は物理的攪拌と初期消化が行われるだけであるのに対し、大腸では、それ以前の段階で消化酵素と腸内細菌叢による消化吸収がほぼ完了しています。 ということは野菜果物に「抗がん成分」があるとしても、胃ではその効果が発揮できるのに、大腸では既にその効果が失われてしまっているのではないかと思われます。

 もう一つの理由は次のように考えられます。

 ほかの「がん」にも言えることですが、多くの「がん」は遺伝が関係しているように思えます。まだ証明できている「がん」は、少ないのですが、大腸がんは「遺伝」が疑われている「がん」の一つです。ということは、野菜果物といった食べ物の種類と大腸がん発生との因果関係は、そもそも存在しないのではと考えます。

 ただ世界保健機構(WHO)と食糧農業機関(FAO)合同での2003年の報告では、「野菜果物はわずかながら予防効果がある」としていますし、野菜果物の摂取は、多くの循環器疾患の予防に有用であることがわかっているので、「野菜・果物摂取は奨励すべき生活習慣」であることに変わりありません。

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