愕然とする日本外科学会の専門医の技量
2005 年6月15日づけ読売新聞の記事は、読み捨てにできないものです。いつかは消える運命にある新聞記事を私のブログに保存しておきます。(引用は読売新聞ネット版)
「腹腔鏡手術、半数が不合格…一線の医師対象に初テスト」
「がんの手術などで、患者の体への負担が少ない腹腔(ふっくう)鏡手術の経験を積んだ医師を対象に、日本内視鏡外科学会が初めて行った技術認定審査で、消化器・一般外科領域の全体の合格率が53%にとどまり、約半数が不合格になったことが14日わかった。
受験者は日本外科学会など他学会の専門医資格を持つ第一線の医師。それでも、患者数が多い胃や大腸の手術では合格率が40%台と低く、技術格差が浮き彫りとなった。
腹腔鏡手術は、腹部にあけた数か所の小さな傷から、小型カメラ(内視鏡)や切除器具などを挿入して行う手術。従来の開腹手術と異なり、傷が小さく、術後の回復が早いなど「患者にやさしい手術」とされる。実施件数は増加傾向で、日本内視鏡外科学会の2003年実績調査(腹部外科)では、3万1000件だった。
しかし、モニターを見ながら長い器具を操り、切除や縫合を行うなど、開腹手術とは別種の技術が求められる。02年、東京慈恵医大青戸病院で、腹腔鏡手術を受けた患者が未熟な技術により死亡した事件を機に、指導者の育成を目的に技術審査が導入された。
消化器・一般外科領域の審査は、日本外科学会などの専門医資格を持ち、胆のう摘出で50件以上、大腸や胃などの切除で20件以上の腹腔鏡手術を経験した医師が対象。大腸、胃、胆道など、臓器別8部門に計422人が申請した。
審査は今春、同学会審査委員会(木村泰三委員長)が行い、手術の記録ビデオをそれぞれ2人の審査員が見て、カメラや切除器具の使い方、助手との連携などを総合評価した。合格率は基本技術とされる胆道(胆のう摘出など)が最高の66%で、胃は49%、大腸は40%、食道は36%にとどまった。
申請者はいずれも病院では、指導的な立場で手術を担う専門医。それでも合格率が低かったことについて、審査を担当した医師は「第三者の評価を受けてこなかったため、自己流のやり方に疑問を持たずに手術を続けてきたのだと思う。切除や縫合の基本ができていないケースもあった」と指摘する。」
何と二人に一人が「専門医資格を持つだけで、技術的には不合格な医師により、腹腔(ふっくう)鏡手術を受けた」という衝撃的事実が明らかにされたのです。
私のHPの「早期発見、早期治療が大切だという誤解」の中に次ぎの指摘をしています。
「早期発見後の早期治療が、本当にその方に有益かどうかを考えなくてはならないほど、医療の荒廃が進んでいるという現実があります」。
今「医療改革」が議論されています。ところが「経済的視点」からの議論ばかりで、ここに掲げたような、医療の中の「本当に早期発見早期治療が有益なのかという議論」とか、「医師の技術的問題に対する議論」が蚊帳の外といった現状です。 専門家の議論というのはとかく偏った一面だけに集中しがちです。
こういう場面にこそマスコミの出番があります。ぜひ国民を巻き込んだ議論を期待したいと思います。
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Tracked on 2005.07.05 at 06:25 PM


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