自律神経失調症と起床時頭痛
自律神経失調症の方には、慢性頭痛や片(偏)頭痛といった症状を持っている場合がたくさんあります。そして漢方薬と治癒システムの修復によって、回復することをたくさん経験しています。(私のHPの「慢性頭痛と亀さん」を参照して下さい。)
ところが「nikkeibp.jp健康」10月20日号にこんな記事が掲載されました。(サイトは消えてしまいますので、あえて全文引用しておきます。)
朝起きたときに頭が痛い――。そんな症状に悩んでいる人は、うつや不安など心の問題を抱えた人が多いことが、欧州5カ国で実施された大規模調査により明らかにされた。
これは、英国、ドイツ、イタリア、ポルトガル、スペインという欧州5カ国に住む15歳以上の男女1万8980人を対象にした電話による聞き取り調査の結果。詳細は、昨年1月に米国の権威ある内科専門誌の「Archives of Internal Medicine」誌に掲載された。
以前から、片頭痛や緊張型頭痛の発症・経過に、不安や抑うつなどといった心理的な要因も関与していることが指摘されており、この調査結果も、そうした傾向を裏付けたものと言えよう。
聞き取り調査は、米国精神医学会によって随時改訂されている「精神障害の診断・統計の手引き 第4版(DSM-IV)」に従ったもの。質問項目は、頭痛の有無に加え、心理面で何か悩みがないか、などといった内容を含んでいた。
調査の結果、慢性的な起床時の頭痛を抱えている人は、1442人(7.6%)に上ることが分かった。内訳をみると、「毎朝」頭痛がある人は全体の1.3%、「頻繁に」頭痛がある人は4.4%、「ときどき」という人は1.9%だった。「ときどき」という人まで含めると、13人に1人が朝の頭痛に悩んでいることになる。しかも、こうした頭痛は、平均42カ月間続いていた。
さらに、朝起きた時の頭痛に悩んでいる人は、そうでない人に比べ、心理面での問題を抱えている人が多かった。
最も強い関連がみられたのは、「不安」と「抑うつ」の程度で、朝に頭痛がある人のうち、この両方とも“病気”と診断されるレベルまで高かった人は28.5%に上り、頭痛がない人の5.5%と明らかな差があった(「頭痛持ちの日本人は約3割」参照)。抑うつのみが“病気”レベルの人は21.3%で、こちらも、頭痛がない人の5.5%と比べ、明らかな差があった。
また、睡眠に関する問題を抱えている人も、起床時の頭痛がある人で多い傾向がみられた。
「不眠」を訴える人の割合は、朝の頭痛がある人では17.1%、ない人では6.9%だった。このほか、約25時間周期で睡眠と覚醒を繰り返すはずの「サーカディアンリズム(概日リズム)」が狂ってしまう睡眠障害がみられた人も、朝の頭痛がある人で20.0%、ない人で7.5%となっていた。
今回の調査結果では、うつ病や不眠が起床時の頭痛の原因なのか、それとも結果なのかは明らかではない。だが、頭痛がない人との差をみるかぎり、何らかの関連があるとは言えそうだ。朝起きたときに頭が痛くて気分が優れないという人は、一度病院を受診したほうがよいかもしれない。(小又 理恵子=健康サイト編集)
少し脱線しますが、以前から日本の漢方書に「中年以後の早朝ないし午前中の頭痛には○○散」といった記載があります。(私のHPの「日本の漢方の不幸」参照。)そしてこの記載が一人歩きして、漢方をあまり理解していない薬剤師や医者が、「中年以後の早朝ないし午前中の頭痛」と言えば、誰にでも疑いもなく○○散を処方しているようです。
今回の欧州5ケ国の調査は、電話調査とはいえ2万人という大規模疫学調査ですから、大いに参考になります。「朝起きたときに頭が痛い――。そんな症状に悩んでいる人は、うつや不安など心の問題を抱えた人が多い」ということは、自律神経失調症の方とも言えます。
起床時ということは、睡眠という副交感神経支配状態から、交感神経支配の状態へ、一気に変わる時間帯ですから、この「切り替え」がスムーズに行かない自律神経失調症の方には、脳の血管系にも変調が起こり、頭痛が生まれるのではないかと思います。
なおこの記事の最後にある「朝起きたときに頭が痛くて気分が優れないという人は、一度病院を受診したほうがよいかもしれない。」というのは頂けません。痛み止めや向神経薬の洗礼が待っています。

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