自律神経失調症と花粉症と季節の不思議
毎年2月中旬になると自律神経失調症と花粉症の患者さんが増えてきます。花粉症は、この季節に飛散が始まる杉花粉という「外部要因」で起こりますから、それほど不思議ではないのですが、自律神経が乱れ始めるのは、どうしてなのでしょうか?しかも毎年、「月単位」ではなく「週単位」で「正確に」始まるのは・・・・
春になるといっせいに花が咲き始め、動物が冬眠から覚めるように、生物は季節という年単位のバイオリズムで活動をしています。何で季節を感じるかと言えば、気温などを感じるセンサーでしょう。自律神経系が発達した人間では、気温だけではなく、湿度、気圧など更に広範囲のしかも鋭敏なセンサーを持っています。
したがって誰でもこれらのセンサーによって、季節を感じているはずです。そしてセンサーで感じとった情報により、その季節に適合した、「自律神経状態」を作りだしています。ということは自律神経失調症になる方は、単にこれらセンサーが「鋭敏過ぎ」て、自律神経を「過剰に」動かしてしまっているだけなのです。
自律神経失調症の原因としては、たしかにストレス過多な社会も大きいと思いますが、生活様式の変化も意外に影響しているのではないかと思っています。私のHPにもたくさん書いていますが、自律神経失調症を漢方では、「肝鬱気滞」と言います。身体を巡っている「気」が「滞る」と考えているのです。
冬という寒い季節は、どうしても外出が少なくなります。しかも暖房が完備している現在の住居では、さらに外出が減り、ぬくぬくと家の中に閉じこもる生活を続けることになります。気を動かす原動力になる「運動」が極めて少なくなります。
同時に気圧以外の気温、湿度に対するセンサーも鈍感になっているでしょう。
2月中旬になると寒さも峠を過ぎ、多少外出の機会も出てきます。センサーが一気に働き始め、運動量が増えると同時に、気の滞りも一気に動き始めます。すると自律神経が過剰に反応を示し、体温、循環器、消化器、中枢神経系の変化が、症状として感じ始めるのです。
こういうことを考えると自律神経失調症への対処法が見えてきます。まず寒い頃からなるべく外気に当たり、運動を心がけること。また寒い頃から漢方の発散剤を使い、滞りを少なくするように心がけることが大切です。すでに自律神経の乱れが始まってしまった場合には、発散と抑制を調整する漢方を使えば良いのです。自律神経失調症に使う漢方薬は、この発散と抑制を調整する薬味(生薬)を組み合わせて処方します。

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